suwaru

リトリート

2024.01.26

ネパールリトリートに参加してきました!

ネパールリトリートに参加してきました!

Text: Kaori Shimura

リトリートとは、慌ただしい日常から離れてリフレッシュできる場所に身を置き、自分の内側と向き合う時間を過ごすこと。
2023年10月、ネパールで開催されたsuwaruの8日間のリトリートツアーは、参加者の多くが内なる変容を体感するという素晴らしい機会となりました。

今回は、滞在中のほとんどの日程をカトマンズ郊外のナガルコットやドゥリケルといった山岳リゾートエリアで過ごすというプラン。
初日は成田空港から直行便で飛び立ち、ネパールの首都カトマンズの国際空港に到着したのは夜。そのままバスに乗り込み、ナガルコットのホテルへ。翌朝からいよいよ、リトリートのはじまりです。

早朝、部屋の窓を開けてベランダに出ると、目の前にはどこまでも広がる空、そして、はるか遠くに連なる山々。空気はしんと澄みわたっていて、ただそこに静かに佇んでいるだけで、身も心も浄化されていくようです。
空の表情も、日によってさまざま。息をのむほどに美しい朝日が空を染めていく日もあれば、真っ白な霧が辺り一面を幻想的に覆いつくす日も。とりわけ、雲海の向こうにヒマラヤ山脈が顔をのぞかせた日は、自然界のもつすさまじいパワーに圧倒されるばかり。

ネパールは標高が高く、今回4泊滞在したナガルコットは2,175メートル。高山病になるほどの高さではありませんが、日本の都市部に比べると、太陽のエネルギーがまったく違います。手つかずの自然があふれていて、土地のもつグラウンディングの力もとても強いように感じました。
また、ネパールの人々は人懐っこいとよく言われますが、まさにそのとおり。いつもニコニコ笑顔で、みんなやさしい! 郊外の田園風景などはなんとなく日本の田舎と似ているところもあって、どこか昔の日本を想像させるようなムードがありました。

そんな恵まれた環境での一日のスケジュールはというと、朝はまず、ニーマルヨガのクラスからスタート。さらに、ニーマル先生のガイドによる瞑想の時間が続きます。
ブランチをいただいたあとは、お寺や聖地などに出かけて(ときには普段はめったに入れない特別な場所にも!)、そちらでもまた瞑想。ホテルに戻り、夕方からは座学の時間。ディナーをいただいて、夜は各自、復習や内観などをしながら、落ち着いたひとときを過ごします。

日頃の仕事や人間関係から離れて、魂の学びと自己探求にどっぷり集中して取り組めるのが、リトリートならではの魅力。
今回のネパールリトリートのテーマは「ハイヤーセルフ」でした。「ハイヤーセルフとは何か」「エゴとハイヤーセルフの関係」「ハイヤーセルフとつながるには?」など、ニーマル先生のお話はとても奥深く、濃厚な内容! ですが、5000年の叡智に基づいた数々のエッセンスをすんなりと受け取ることができたのは、やはりリトリートという環境がもたらしてくれた恩恵かと思います。

さらに、リトリートの素晴らしい点がもうひとつ。
「知識を与えられたとしても、それを自分で実践して落とし込まなければ、本物の知識とは言えない」――これはニーマル先生がよく語っている真実です。
リトリート中は一日24時間が自己探求と言っていいくらい贅沢な時間の使い方ができるので、得た学びをすぐに実践することができます。学んでは実践、を短期間のうちに集中的に繰り返していくと、人はどんどん成長していきます。その結果、旅の前後、あるいは旅の途中で、自らの変わりようを実感することができるのです。

その例として、わたしの個人的な体験で恐縮ですが、シェアさせてください。

リトリートがはじまった日の午後、シヴァ神のお寺で瞑想をしたときのこと。わたしは瞑想に入る直前、運悪く、蚊に刺されてしまったのです。刺された2カ所は赤く腫れ、痒みはみるみる強まっていきます。
「うーん……これは瞑想に深く入れるかどうか、試されているのかも?」「よし、痒みから意識を遠ざけて、瞑想に集中しよう」。そんな思いで瞑想に入り、瞑想中は実際のところ、痒みもさほど気にならずに済んだことから、終了後は心の中で「勝ったぜ!」という満足感を抱いたものです(笑)。

それからのネパールリトリートの日々のなかで、さまざまな学びと経験をし、訪れた最終日。午後、シバプリババの寺院で瞑想をする場所に入る直前、わたしはまたもや蚊に刺されました。
そこで、ふと気づいたのです。5日前に蚊に刺されたときの自分と、今の自分がまったく変わっていることに。

わたしはこのリトリート期間中の体験を通して、瞑想することそのものがとても贅沢でありがたいこと、という新たな感覚を得ていました。それまでの自分は「瞑想に深く入れるかどうか」にとらわれすぎていた部分があったように思います。だからこそ、初日に蚊に刺されたときも、瞑想に集中することへの執着が生まれたのでしょう。
ですが、ネパールでのある日の瞑想中、ある気づきが訪れました。それは、「目を瞑って座るだけで、既にたくさんのものを受け取っている」「それらを感謝とともに受け取るだけでいい」というもの。その気づきをきっかけに、わたしの瞑想の時間は、深く入れるかどうかにかかわらず、「いま受け取れるものをシンプルに味わう時間」へと変わっていったのです。

最終日、瞑想する直前に再び蚊に刺されたわたしは、「蚊に刺された」ことと「これから瞑想する」という2つの事実を頭の中で結びつけることもなく、落ち着いた気持ちのまま、瞑想の時間へと向かおうとしていました。
そのときにふと「前にもこんなことあったな」「あ、初日か」と思い出したのですが、それが随分と昔のように感じられ、懐かしさすら覚えるほど。「変容ってこういうことなのかも」と気づかせてくれた蚊に感謝の気持ちを抱きながら、また穏やかな自分へと戻っていったのでした。

2023年に高千穂、高野山、ネパールで行われたスワルのリトリートは、2024年も高野山、ニセコ、インドの3カ所での開催を予定しているとのこと。わたしもさらなる変容を体験しに、ぜひまた参加したいと思っています。この文章を読んでくださったあなたとも、どこかの場所でご一緒させていただくかもしれません。そのときは、ぜひあなたの体験談を聞かせてください。

(プロフィール)
志村香織
Kaori Shimura

ライフスタイルエディター&ライター、カラーセラピスト。オーラソーマと占星術、各種カードリーディングなどのプライベートサロン「drop’dee」を主宰。個人セッションやイベント、執筆などを通して、毎日を軽やかに生きるヒントを提案しています。趣味はプロレス観戦、DJ(ただ好きな曲をかけるだけ)など。