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2024.06.20

【連載】アーユルヴェーダ的 更年期の迎え方・過ごし方 Vol.2

更年期は、自分の体や心の変化を通じて、女性として生まれたことやこれまでの生き方を見つめ直す素晴らしい機会です。体調不良に悩む方も多いですが、この期間を通して過去を手放し、未来を明るく生きるための重要な時期です。アーユルヴェーダの知恵を借りて、更年期の症状を整えながら、心と身体のバランスを取り戻しましょう。

アーユルヴェーダでは、人間の一生を3段階に分けます。

1〜25歳:成長期(学びの時期)

25〜50歳:成熟期(人生を形にする時期)

50歳〜:老成期(叡智を広げる時期)

アーユルヴェーダの3つのドーシャ(体質)に当てはめると、成長期はカファ(土)、成熟期はピッタ(火)、老成期はヴァータ(風)の働きが優勢です。成長期では土の栄養を得た植物のように成長しながら学び、成熟期では火の力で情熱を持って形にしながら様々な経験を積み、老成期ではその経験から得られた自身の叡智を周りのために使っていく時期とされます。つまり、一人前になるのは50歳以降なのです。

更年期は成熟期から老成期への移行期であり、過去の総決算をし、心と身体を整える重要なタイミングです。この時期に更年期に現れる症状を整えることで、より自分らしく過ごしていくことができるようになるでしょう。

以下はドーシャ(体質)別の整え方です。当てはまる症状が多い場合、そのドーシャを整える生活のヒントとして取り入れましょう。

ご自身のドーシャ(体質)について詳しく知るには、こちらから。


Vata ヴァータ(風)の整え方

  • ゆっくりとした生活を心がける(特に朝と夜は余裕のある過ごし方を)
  • 夜は早く寝て、規則正しい生活を送る
  • サラダ、アイスクリーム、冷たいドリンクなどの冷たい食べ物を避ける
  • クッキーやナッツなどの、乾燥した食べ物は避ける
  • 消化に良い、暖かく調理された食事を摂る
  • 便秘を防ぐ食事と生活を心がける
  • ぬるめの白湯、レーズン、ビーツ、ザクロ、いちじく、ごま、デーツ、ギー(無塩バターからタンパク質、水分、不純物を取り除いて純粋な脂肪分だけを集めたもの)などの、消化を助ける食材を摂る。
  • 温かい太白ごま油で頭部も含めた全身オイルマッサージする
  • 不安感が大きくなったら「なんとかなる」の精神で、考えすぎて心配しすぎないように心がける
  • 穏やかなヨガ、呼吸法、瞑想などで自律神経を整える

Pitta ピッタ(火)の整え方

  • 暑い環境や、熱いお風呂を避ける
  • アルコール、コーヒー、タバコなどの刺激物を避ける
  • 辛いもの、添加物、味が濃い食事、発酵食品、トマト加工品、塩分の取りすぎを避ける
  • ゴーヤ、緑豆、冬瓜、ミント、アスパラ、ざくろ、レーズンなど、苦味や渋みを感じる食材を摂る
  • 唾液としっかり混ぜるように、ゆっくり食事をする
  • 冷まし湯をよく飲む(1日2リットル前後)
  • 夕方以降に緊張感のある仕事をしない
  • 夜更かしをしない(理想の就寝時間は夜10時)
  • 完璧を求めて自分や相手に無理をさせるのではなく、ある程度のところで満足して感謝する

Kapha カファ(土)の整え方

  • ヨガやウォーキングなど、毎日適度な運動を心がける
  • スイーツ、芋類、菓子パンなどの、甘いものを控える
  • 揚げ物、餅、チーズ、大豆などの、消化に重い食事を控える
  • 冷たいドリンク、お酒、アイスクリームなどで、体を冷やさない
  • 週に一度の夕食をおかゆだけにするなどして、「軽い断食」を心がけ消化力を軽くする
  • 緑黄色野菜、ハーブなどの、苦味のある食材を摂る
  • 生姜、胡椒などを料理に使って消化力をあげ、腹7分目を心がける
  • 小旅行などで生活のマンネリ化を防ぐ
  • 人のことを抱え込もうとせず、相手を信頼して任せる



ご自分の身体、マインド、今乱れている状況などに意識を向けることは、現在とこれまでの生き方を見つめ直す良い方法の一つです。ドーシャ(体質)に合わせた整え方を取り入れることで、心と身体のバランスをとって心地よく過ごせるようにしていきましょう。


コラム執筆 水野香織

suwaruにおけるアーユルヴェーダ、瞑想講師
古代伝統医療 アーユルヴェーダの教えを料理を通じて広げている。
アーユルヴェーダ料理教室「Ayurda」代表
(社)日本瞑想協会会長、ニーマルメソッド瞑想認定コーチ